私たちは日々、自分の頭で考え、判断し、選択して生きていると思っています。
しかしその「判断」は、本当に“素の自分”のものでしょうか？
実は、私たちの思考には知らず知らずのうちに「バイアス（思考の偏り）」が入り込んでいます。
これは、まるで曇ったレンズを通して世界を見ているようなもの。
このレンズが曇っていれば、どんなに素晴らしいビジョンを描いても、正しく世界を捉えることはできません。
本記事では、ライフデザインを阻む主要なバイアスとその活用・対処法を紹介し、自分の「レンズ」を整える方法をお伝えします。
バイアスとは何か？：無意識に潜む思考の癖
バイアスとは、思考や判断に影響を与える“無意識の偏り”のこと。
脳が情報を処理する際に効率化のために使うショートカットのようなもので、時に役に立ちますが、状況を誤って解釈させる原因にもなります。
ライフデザインにおいては、このバイアスが理想を阻む「見えない壁」となります。
知らず知らずのうちに、可能性を狭めたり、間違った判断をしてしまったり。
だからこそ、自分がどんなレンズを通して世界を見ているのかを知ることがとても大切なのです。
ライフデザインに影響する5つの主要バイアス
1. 正常性バイアス
「きっと大丈夫」「自分に限って」は危険な思い込み。
→ 変化やリスクを軽視し、必要な行動が取れなくなる。
2. 確証バイアス
見たいものだけを見る癖。
→ 自分の信念を裏付ける情報ばかり集め、視野が狭くなる。
3. 楽観バイアス
根拠なき「なんとかなる」は計画を狂わせる。
→ 現実的な準備や対処を怠り、後で痛みを伴うことに。
4. 生存者バイアス
成功例ばかりに目を向け、失敗の背景を見ない。
→ 安易に「自分もできる」と思い込み、冷静な判断ができない。
5. 自己奉仕バイアス
成功は自分、失敗は他人や環境のせい。
→ 自己反省が乏しくなり、成長の機会を失う。
バイアスにどう向き合うか？：レンズを磨く3つの習慣
1. ジャーナリングで思考の癖を可視化する
日々の考え方、感情、選択を記録することで、自分の思考パターンが見えてくる。
2. 異なる視点を意図的に取り入れる
信頼できる人に相談する、本を読む、反対意見に耳を傾けることで、バイアスに気づく機会を増やす。
3. 自己認識を育てる時間を持つ
一日の終わりに「今日の判断は自分のバイアスだったかもしれない」と問い直すことが、次の判断の質を高める。
まとめ：自分の“思考のレンズ”を整えることが、人生を変える
私たちはいつでも、何かしらの「思い込み」というフィルターを通して世界を見ています。
ライフデザインとは、自分にとっての理想の未来を描き、そこへ向かって選択を重ねていくプロセス。
その選択をバイアスのせいで誤ってしまえば、どれだけ行動しても理想に辿り着けません。
だからこそ、思考のレンズを磨き、クリアに世界を見ることが大切なのです。
バイアスを意識し、整えることが、自由で納得のいく人生をつくる第一歩となります。